「また引越しか……」と思いながら荷造りをした回数、気づけば5回になっていました。
学生時代の一人暮らしから始まり、就職・転勤・同棲・独立と、人生の節目ごとに新しい部屋を探してきた私が、失敗と後悔を重ねながら学んだ「物件選びの本質」をこの記事にまとめます。
物件探しは、一見するとSUUMOやHOMESで条件を絞って検索するだけのシンプルな作業に見えます。
でも実際に住んでみると、「なんであのとき確認しなかったんだろう」と後悔するポイントが山のように出てきます。
この記事では、そんな実体験から得たリアルな知見をお伝えします。
賃貸物件を探している方はもちろん、将来の参考にしたい方にも役立つ内容です。
1回目の引越し:専門学校入学で一人暮らし開始——「安さだけ」で選んだ失敗
最初の引越しは18歳のとき。
進学に合わせて、地方から都市部へ。
当時の自分の判断基準は「家賃の安さ」のみでした。
両親と不動産屋に行き、予算に合う物件をいくつか内見して、一番安い部屋を選びました。
その部屋の問題点は住んでみて初めてわかりました。
まず、日当たりが最悪でした。
北向きの1階で、隣の建物との距離が近く、昼間でも薄暗い。
冬は本当に寒く、カビが生えやすく、洗濯物が全然乾かない。
それだけでなく、騒音問題も深刻でした。
大通りに面していたため、深夜でもトラックの音が響き、睡眠の質が著しく下がりました。
さらに後から気づいたのが、収納の少なさ。
一人暮らしなら大丈夫と思っていたのに、服・本・趣味のものがあっという間に溢れました。
クローゼットがほとんどなく、部屋が常に散らかった状態に。
精神的にもじわじわとストレスが積み重なっていきました。
【この失敗から学んだこと】
家賃の安さだけで選ぶのは危険。
日当たり・騒音・収納は必ず内見時に確認すべし。
2回目の引越し:就職で引越——「立地重視」が裏目に出た話
社会人1年目、東京での生活が始まりました。
今度は学んだ教訓を活かし、「通勤に便利な駅近物件」を最優先で探しました。
駅徒歩3分、築浅、日当たり良好。
スペックだけ見れば文句なし。
家賃は少し高かったけれど、「利便性のためなら」と奮発しました。
ところが住んでみると、周辺環境の問題が次々と浮かび上がりました。
駅近ということは繁華街にも近く、夜は人通りが多くて賑やか。
週末の夜は酔っ払いの声が窓まで届きます。
駅のホームから部屋の窓が見える角度にあり、プライバシーも気になりました。
また、スーパーが徒歩15分以上かかる場所にしかなく、日々の買い物が不便でした。
コンビニは近かったのですが、食費がかさんで節約もままならない。
「駅が近い=生活が便利」とは必ずしも言えないと痛感しました。
さらに見落としていたのが、管理会社の対応。
入居後に水道のトラブルがあって連絡したところ、対応がとにかく遅くて雑。
物件の質以上に「管理体制」が生活の快適さに直結するということを、このとき初めて理解しました。
【この失敗から学んだこと】
立地は「駅近」だけでなく、スーパー・コンビニ・病院などの生活インフラも含めて評価する。
管理会社の評判は事前にネットで調べるべき。
3回目の引越し:転勤で初めて「成功」した物件選びの秘訣
2回の失敗を経て、3回目はかなり慎重に物件を探しました。
転勤先の土地勘がなかったため、まず1週間、候補エリアを実際に歩き回ることから始めました。
昼・夜・休日・平日と時間帯を変えて街の雰囲気を確かめ、生活動線をシミュレーションしました。
内見では以下のことを徹底的にチェックしました。
内見チェックリスト(実体験版)
- 水圧の確認
キッチンと浴室の蛇口を全開にして水圧をチェック。
シャワーが弱いと毎日のストレスになります。
(内見時に水道が使えるかは事前に不動産屋さんに確認しておきましょう) - 携帯の電波
部屋の隅々でスマートフォンの電波を確認。
鉄筋コンクリートの建物は電波が入りにくいことがあります。 - 扉・窓の開閉
軋みやガタつきがないか確認。
建物の歪みや老朽化のサインになります。 - コンセントの位置と数
家具の配置をイメージしながら確認。
少ないと延長コードだらけになります。 - 収納の寸法
実際にメジャーで測る。
意外と奥行きが浅かったり、使い勝手が悪いことがあります。 - 壁の薄さ
軽く壁を叩いてみる。
コツコツと乾いた音がすると薄壁で防音が心配です。
この引越しで初めて「この部屋にして良かった」と思える物件に出会えました。
決め手は内見時の「静けさ」と「光の入り方」でした。
午後に内見したとき、南向きの窓から差し込む陽光が気持ちよく、その瞬間に直感的に「ここだ」と思いました。
4回目の引越し:同棲で学んだ「二人で住む物件」選びの難しさ
パートナーと一緒に住み始めた4回目の引越しは、これまでとは違う難しさがありました。
一人の時は自分の基準だけで選べばよかったのが、二人になると優先順位が全然違う。
私は「収納と静けさ」重視、パートナーは「おしゃれな内装と駅近」重視。
最初から条件がぶつかりました。
結局、お互いが妥協点を見つけながら選んだのですが、ここで重要だと感じたのが「優先順位リストの共有」です。
二人それぞれが「絶対に譲れない条件」「あれば嬉しい条件」「なくてもいい条件」を書き出して、すり合わせをしました。
これをやっておかないと、内見中に「でも私はこっちがいい」「いや俺はこっちだ」と堂々巡りになります。
また、二人暮らしで意外と見落としがちなのが「収納の総量」です。
一人分の荷物を2倍にするのではなく、共有スペースも含めた実際の収納力を見積もる必要があります。
クローゼットのサイズを内見時に必ずメジャーで測り、自分たちの持ち物が入りきるかシミュレーションすることをおすすめします。
さらに、生活リズムの違いも考慮に入れると良いです。
私は朝型、パートナーは夜型だったので、寝室とリビングがしっかり区切られた間取りが必要でした。
ワンルームや1Kは音が筒抜けになりやすいので、1LDK以上の間取りを選んだのは正解でした。
5回目の引越し:独立後に「本当に大切なこと」がわかった
フリーランスとして独立し、在宅ワークが中心になった5回目の引越し。
このときの最重要条件は「仕事環境」でした。
ネット回線の速度・防音性・日当たり・作業できるスペースの確保。
これらを軸に物件を探しました。
5回の引越しを経て感じた「物件選びで本当に大切なこと」は、「自分の生活スタイルとのマッチング」に尽きます。
どれだけスペックが良くても、自分の生活に合っていなければ意味がない。
逆に言えば、他人が「微妙」と言う物件でも、自分の生活スタイルにはまれば最高の部屋になります。
物件選びの「失敗しない」ための総まとめ
①内見は複数回・複数の時間帯に行く
昼間の内見だけでは夜間の騒音や照明の雰囲気はわかりません。
可能であれば、平日の昼・休日の夜など異なる時間帯に複数回訪れましょう。
特に騒音は時間帯によって大きく異なります。
②「街歩き」を必ず行う
内見した物件の周辺を、実際に徒歩で歩いてみましょう。
スーパー・ドラッグストア・病院・コンビニまでの距離と道の様子を体感することが大切です。
Googleマップで見るのと実際に歩くのでは印象がまったく異なります。
③「管理会社・オーナー」の質を調べる
物件の質と同じくらい重要なのが管理体制です。
入居後のトラブル対応・更新時の態度・共用部の清潔さなどは、その管理会社の姿勢を表しています。
Googleレビューや口コミサイトで事前に確認しましょう。
④「初期費用の内訳」を必ず確認する
家賃だけでなく、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・鍵交換費用など、初期費用の合計を入居前に把握しておきましょう。
家賃6万円でも初期費用が40万円以上になることは珍しくありません。
交渉できる項目もあるので、遠慮なく相談してみてください。
⑤「退去時のルール」を確認しておく
入居前から退去時のことを考えるのは縁起が悪いように感じるかもしれませんが、これが後のトラブル防止に直結します。
原状回復の範囲・ペット禁止の詳細・DIYの可否など、契約書を入念に読み込むことが大切です。
わからない部分は必ず入居前に確認しましょう。
まとめ:「失敗」が最高の先生だった
5回の引越しを振り返ると、最初の頃の失敗があったからこそ、今では物件を見る目が養われたと感じています。
「安さだけ」「駅近だけ」という一軸での判断から、「自分の生活スタイルとの総合的なマッチング」という多角的な視点に変わっていきました。
物件選びに「完璧な答え」はありません。
でも、事前にしっかりチェックすること・自分の生活をリアルにイメージすること・焦らずに複数の物件を比較することで、後悔のない選択に近づけるはずです。
これから物件を探す方の参考に、少しでもなれれば嬉しいです。
良い物件との出会いを願っています!

